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カナダでちゃんとお金の話

byChelsea
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カナダでのリタイアメント: RRSP: Spousal RRSP 2021-02-24 04:12:00

Spousal (配偶者) RRSP とは

RRSPは、根本的には個人単位で管理をするもので、「自分のリタイア/老後資金を自分で貯めていく」というコンセプトに基づいて、自分名義のプランへ拠出をしていくものです。
したがって、例えばリタイア/老後を迎えた夫婦やコモンローパートナーカップルは、それぞれが自分名義のプランからその後の老後生活資金を「所得」として捻出することになり、その資金額がカップル間で大きく違うということも十分にありえます。さらに、その際に所得としてプランから引き出していく額が多ければ多いほど、その分にかかる所得税の額も増えるわけで、これもまたカップル間で大きく差が出るということも十分にありえます。
差があるだけならよいのですが、例えばこの差により、所得税額に関して結果的に大きく損をすることもありえます。

シンプル (かつ極端) な例を示してみましょう。
とある夫婦間において..
  • フルタイムでのフルキャリアを終えてリタイアをした 夫側のプランには $1,000,000 の資金があるとする
  • 主婦として過ごしていた時期があり、それ以外でのフルタイム職とパートタイム職を持っていた間の拠出のみで貯めた 妻側のプランには $200,000 の資金があるとする
= 夫婦の合計RRSP資金は $1,000,000 + $200,000 = $1,200,000

リタイア後、それぞれが年間 5% 相当を老後の所得として引き出すとすると
  • 夫側の年間所得が $1,000,000 x 5% = $50,000
  • 妻側の年間所得が $200,000 x 5% = $10,000
  • その時点での、夫側の所得 $50,000 にかかる税率が 20% だとすると、夫側の税額は $50,000 x 20% = $10,000
  • その時点での、妻側の所得 $10,000 にかかる税金が (各種控除等の結果) $0 だとする
結果、この夫婦の合計所得 $60,000 に対する税額は $10,000 + $0 = $10,000 となります。

対して、例えば夫婦の合計RRSP資金が同じ $1,200,000 だったとしても、夫婦それぞれのプラン内に、半分づつ同額の $600,000 の資金があるとしたらどうでしょう。
= 夫婦の合計RRSP資金は $600,000 + $600,000 = $1,200,000

リタイア後、それぞれが年間 5% 相当を老後の所得として引き出すとすると
  • 夫側の年間所得が $600,000 x 5% = $30,000
  • 妻側の年間所得が $600,000 x 5% = $30,000
  • その時点での、夫側の所得 $30,000 にかかる税率が 10% だとすると、夫側の税額は $30,000 x 10% = $3,000
  • その時点での、妻側の所得 $30,000 にかかる税率が 10% だとすると、妻側の税額は $30,000 x 10% = $3,000
したがって、この夫婦の合計所得 $60,000 に対する税額は $3,000 + $3,000 = $6,000 となり、最初の例に比べて、全く同じ合計RRSP資金額、全く同じ年間引き出し額、全く同じ合計年間所得額なのにもかかわらず、年間 $4,000 (=40%) もの節税が出来ているということになります (あくまで例)。
このように、カップル (夫婦、コモンローパートナーカップル、同性カップルを含む) 間でのRRSP資金の差、及び引き出し額 (=所得) の差を縮め、上記の例のような節税を実現させてくれるのが「Spousal RRSP (配偶者 RRSP)」というシステムです。

基礎ルール

  • Spousal RRSP とは、配偶者 (上記の例だと妻側) を「annuitant (受給者)」として定義できるRRSPプラン。
  • 自分 (上記の例だと夫) のRRSPプランとは別のプラン扱いとして、各種金融機関で配偶者名義の元 (上記の例だと妻)、開設することができる。
  • 拠出をする (拠出ができる) のはあくまで自分 (上記の例だと夫) 。配偶者側 (上記の例だと妻) はこの Spousal RRSP プランへは拠出はできない。
    ただし、もちろん配偶者自身 (上記の例だと妻) が、この Spousal RRSP プランとは別の、自分自身のRRSPプランを持ち、そこへ自身で拠出することは問題なし。
  • 年間拠出制限額は自分 (上記の例だと夫) の制限額が適用される。つまり、自分のRRSPへの拠出と、Spousal RRSPへの拠出の合計が、自分の拠出制限額を超えてはいけない。

利点と目的

  • Spousal RRSP は、リタイア以前の段階で、カップル間の所得額の差が大きい場合 (つまり、そのままではリタイア時のRRSP資金に大きな差ができてしまうことが予想される場合) にこそ利用されるべきシステムです。
  • 最終的な目的は、リタイア時の両者それぞれのRRSP資金額を出来る限り同程度にすること、ひいては、リタイア後に同程度の割合いで引き出しを行うことで得られる所得に関して、一方だけに対し高い所得税率区分が適用されることを避けることです。
  • 通常のRRSPは、自分が71才になった年以降は拠出をすることが出来ませんが、例えば配偶者が自分より年下の場合 (かつ自分の拠出限度額に空きがある場合)、配偶者が71才になる年が終わるまで、Spousal RRSP に対しての拠出をすることができます。
  • Attribution Rules
    少なくとも拠出に関しては比較的簡単なシステムですが、一点だけ注意すべき点として、以下の「Attribution Rules」と呼ばれるものがあります。
    • Spousal RRSP に拠出を行ってから3年以内に引き出しを行うと、その引き出し額の全てもしくは一部は、拠出を行った側 (上記の例だと夫) の所得として申告しなければならない
    これは、多額の駆け込み拠出によって極端な税金逃れができてしまう..という盲点を制限するためのルールとして設定されています。例えば、Spousal RRSP からの引き出しを始めようとする3年前からは Spousal RRSP への拠出を停止する...など、このルール/制限を踏まえた拠出を計画するのが賢明と言えるでしょう。
もう一つの隠れ(?)利点と言えるのは、「Home Buyers' Plan (HBP)」関するものです。RRSPのページでも触れている通り、本来リタイア後資金としてのみ利用されるべきRRSP資産ですが、例外として、一人のRRSPプランにつき $35,000 まで、「初めて住宅を購入する際の資金 = Home Buyers' Plan (HBP)」への利用が許されています。つまり、(収入が少ない側の名義となるSpousal RRSPを含めた) カップルそれぞれの側の名義において $35,000 以上のRRSP資産があれば、カップル合同で $70,000 まで HBP への利用ができるということになります。

まとめ

カップルの形は様々で、こと家計及びそれぞれの資産管理に関しては、一括または共同口座などでまとめて管理している場合や、意識的に完全に分けている、という場合もあることでしょう。Spousal RRSP は、基本的にはそのカップルがそのままの関係を維持しているという前提のもと、リタイア後にそこから引き出しを行う際 (つまり比較的遠く不確定な未来) におけるやりくりにおいて、その時点での節税を実現出来るようにするための制度です。したがって、様々な理由から「この制度はあえて利用しない」という選択をする場合もあることでしょう。
個々の環境/事情をよく考慮し、カップル間でしっかりと話し合いを持った上で、この制度を利用するか否かを吟味するようにしましょう。



カナダでの仕事: 最低賃金 2020-06-18 04:46:00

カナダの最低賃金

カナダで就労するにあたっては、各州/準州の労働法によって最低賃金 (minimum wage) が定められています。雇用主は、労働者の国籍やビザ/移民関連のステータスの如何に関わらず、この法を遵守する義務があります。

例えばワーキングホリデーでのアルバイト、あるいはパートタイムの仕事などに就いている方などは特に、最低賃金 (時給換算) 以上での雇用がしっかりと実行されているかどうかを、常に把握/確認するようにしましょう。
また、各州/準州の最低賃金には差があり、しかも頻繁に更新されます。自分が住む州における最低賃金に関わる情報/ニュースには積極的に気を留めるようにし、最新の情報を常に把握/確認するようにしましょう。
あるいは、これからカナダでの生活を始める方、または州をまたぐ転居を考えている方などは、これらの情報を、各地での雇用環境等を推し量る資料として参考にするのもよいでしょう。

カナダ各州の最低賃金

本ページ最新更新日における時点での、各州の最低賃金は以下の通りになります。
注意: 職種によっては、以下の基本最低賃金以外の額が適用されることあります。詳細については、各州政府発表の最新の情報を確認するようにしましょう。
 最新更新日最低賃金
(時給換算)
既に予定されている
今後の更新
アルバータ州2019年6月26日~$15.00
ブリティッシュ
コロンビア州
2023年6月1日~$16.752024年6月1日より$17.40
マニトバ州2023年10月1日~$15.302024年10月1日より$15.80
ニュー
ブランズウィック州
2023年4月1日~$14.752024年4月1日より$15.30
ニューファンドランド・
ラブラドール州
2023年10月1日~$15.002024年4月1日より$15.60
ノースウエスト準州2023年9月1日~$16.05
ノバスコシア州2023年10月1日~$15.002024年4月1日より$15.20
ヌナブト準州2024年1月1日~$19.00
オンタリオ州2023年10月1日~$16.55
プリンスエドワード
アイランド州
2023年10月1日~$15.002024年4月1日より$15.40
2024年10月1日より$16.00
ケベック州2023年5月1日~$15.252024年5月1日より$15.75
サスカチュワン州2023年10月1日~$14.002024年10月1日より$15.00
ユーコン準州2023年4月1日~$16.772024年4月1日より$17.59
連邦管轄業種2023年4月1日~$16.652024年4月1日より$17.30
(参考: http://srv116.services.gc.ca/dimt-wid/sm-mw/rpt1.aspx
https://www.retailcouncil.org/resources/quick-facts/minimum-wage-by-province/ 他)

繰り返しますが、各州の最低賃金には差があり、しかも頻繁に更新されます。常に最新の正確な情報を得るためには、ニュース記事や個人ブログ(弊サイト含む 笑)などをソースにした情報ではなく、各州政府からの公式ソースを元とした情報を随時チェックするよう心掛けましょう。

更に繰り返しますが、特にワーキングホリデーでのアルバイトなどにおいては、英語でのコミュニケーション能力が十分でないことに付け込まれ、最低賃金以下での就労環境に就かされたまま声を上げられない..といった環境に陥ってしまう現実が稀にあることも事実です。それらの「違法行為」をしっかりと指摘し、自らの権利をしっかりと主張できるようにする為にも、最新の正確な情報を常に把握するよう心掛けましょう。



カナダ生活: Moka (旧MYLO) のすすめ 2020-06-10 12:50:00

貯金がなかなかできない!という方に向けて、一つの方法として有効なのが「スペアチェンジ (余分なお釣り) 貯金」というアプローチ。「現金を使って買い物をした時、小銭としてもらったお釣りを、その量に関わらずそのまま貯金箱に貯める」という、ある意味では最も古風かつ単純な方法です。
これを少しアレンジさせたのが、いわゆる「500円玉貯金」的な、特定の硬貨だけを貯める方法。カナダにおいても、「ルーニー ($1硬貨) 貯金」や「トゥーニー ($2硬貨) 貯金」などとして実践することができます。ズッシリと満タンに貯まった缶を満を持して開ける快感。合計額カウントも簡単で、「$100以上も貯まっていた!」なんて事も可能でしょう。
...しかし時代は既にキャッシュレスの世の中。現金で買い物なんてほとんどしない、そもそも現金を持ち歩いてすらいない..ので、そんな方法はもう現実的でない、という方がほとんどなのではないでしょうか。

そんな場合でも、「スペアチェンジ貯金」とほぼ同じコンセプトで行える貯金方法が、ここ数年カナダにおいてもそのアプリ環境等が整い始めてきている「ラウンドアップ (お釣り繰り上げ) 貯金」という方法です。

ラウンドアップ貯金

デビットカードやクレジットカードで買い物をした際に出る $1 以下の端数額に対して、次の $1.00 に達するまでの端数分の金額を自動的に別の場所に移動させて、無意識のうちにコツコツと「いつの間にか貯まっている!」を実践する貯金方法。
例:
  • Tim Horton で $1.59 でコーヒーを買ってデビットカードで支払う
    >> $0.41 を自動的に別の場所に移動させて貯める
  • Canadian Tire で $50.19 でアウトドア用品を買ってクレジットカードで支払う
    >> $0.81 を自動的に別の場所に移動させて貯める
お隣アメリカにおいては、金融機関が提供するサービスとして、またはもっとお手軽なモバイルアプリ (AcornsDigit 等) などを通して、この貯金方法を実践できる環境の普及がすでに進んでいます。

そして、カナダにおいてその先駆けとなっているのが、2017年よりサービスを開始しているアプリの「Moka (モカ)」です。管理人自身も既に2019年前半から利用していて、大いに活用し、安心してお薦めできるアプリです。
(2020年7月より、旧社名/サービス名の「MYLO」から、「Moka」へとリニューアルされました)


Moka は iOS 及び Android 環境で動作するアプリとして提供されています (アプリ自体は無料)。そのインターフェイス等は今後変更/更新されることも十分に考えられるため、本項ではいわゆるチュートリアル的にその登録方法や動作方法などを解説するというアプローチではなく、Moka 上でのラウンドアップ貯金の実践の基礎的なコンセプトを紹介するというアプローチをとっていきたいと思います。
利用/アカウント設定方法
  1. 公式サイト よりアプリをダウンロードし、アカウントを作成、ログインする。
    • 上記リンクからのアクセスで、$5 の紹介ボーナスあり
  2. 連携させる (ラウンドアップ貯金額の移動元となる) 銀行口座/デビットカード/クレジットカードを設定する。
  3. インベスター (投資) プロファイルを設定。
    • (ラウンドアップ貯金額の移動先となる) Moka 上のいわゆる貯金箱は、実は自動的に「投資アカウント」となります。
      >> ここがある意味 Moka のキモのサービスとなります (後述)。
    • ここでは、 Moka 側がその投資先を自動的に選ぶための参考として、自身の投資に関する知識や収入等に関する情報を提供します。
  4. ゴールを設定する (複数可) 。
    1. ゴール金額を設定
    2. ラウンドアップのルールを設定
      • 最も単純なラウンドアップ (次の $1.00 に達するまでの端数分の金額を移動させる) の他にも、「その端数の〇倍の額を移動させる」や、単純に「週に$〇の固定額を移動させる」等に設定することができます。
    3. ゴール達成時期を設定
    4. 投資先の種類を設定
      • TFSA や RRSP を利用することも可能です。
  5. 日々の買い物で貯金を開始!
    • 実際の金銭の移動は週に一回。端数額一週間分の合計額が一度にまとめられて移動します。
基本的にはこれだけの設定で、「ラウンドアップ貯金」の実践をすぐにでも始めることができます。
そして一番大事な利用料金:
  • 月額 $3 (指定した口座またはカードから自動引落とし) -- 2021年11月21日より$3.99
サービス開始当初から数年間は、月額 $1 の「MYLO Basic」と、月額 $3 の「MYLO Advantage」という2種類のサービス分けがあり、TFSA/RRSPの利用制限や引出しにかかる日数などで差をつけていましたが、現在は月額 $3 (2021年11月21日より$3.99) のサービスのみとして一本化されています。
大きな額でゴールを設定して、長期に渡る貯金を目指すもよし。数か月のスパンで数百ドルでゴールを設定して、ちょっとした買い物のための資金作りに利用するもよし。使い方は自由、コンセプトはあくまで「いつの間にか貯まっている!」の実践です。

ここまでの情報を参考に、さっそく Moka を利用してみよう! と思い立った方がいましたら、$5ボーナスがもらえるこの 紹介リンク から、是非ともどうぞ。

Moka の本質

ここより先では、Moka のビジネスケースにもう一歩踏み込んで、このサービスの本質により迫ってみましょう。
とは言いつつ...、それを最も端的に説明できるのが以下のビデオ。2018年、CEO自らがCBCの人気番組「Dragons' Den」(「¥マネーの虎」) に出演し、ドラゴン達からの追加出資を募った際のビデオです。

(※残念ながらCBCオフィシャルサイト上での当該ビデオへのリンクはすでに無効となっている模様)

Dragons' Den: Season 12 Episode 19
[https://www.cbc.ca/dragonsden/m_pitches/mylo]

ビデオ内の説明でも触れている通り、Moka (旧MYLO) のビジネスのキモは、まず第一に顧客に対して投資への資金投入を促すこと。第二に顧客の日々の消費行動のデータを集めること。そして第三に、それらのデータをもとに、提携する各種金融サービス利用へと誘導をすること。$3の Moka のサービスの利用料そのものでなく、第三の点である提携する各種金融サービス利用からのマージンに主眼を置いていることがわかります。

ここまで大っぴらにしてくれていれば、利用する方としては随分と安心できます。もちろん長期的な意味で、ビジネスモデルの思惑通りに、将来において保険やモーゲージ等の提携する各種金融サービスを利用する機会があってもよいでしょう。あるいはあくまで「ラウンドアップ貯金」を実現するだけのツールだと割り切って利用するのもよいでしょう。(管理人としては、少なくとも現時点では、完全に後者のみの利用と割り切って使用していますが 笑)

改めて、これらの情報を参考に、利用してみよう! と思い立った方がいましたら、$5ボーナスがもらえるこの 紹介リンク から、是非ともどうぞ。



カナダ生活: リワードプログラム 2020-05-06 11:39:00

リワードプラグラムとは

リワードプログラム (またはロイヤリティプログラム) とは、簡単に言ってしまえば、日本でいうところのポイントカード/ポイントサービス。日本において、「Tポイント」や「楽天ポイント」などを買い物の度に貯めて、色々な特典を得るために利用していたという方も多くいることでしょう。また、日本への一時帰国の際などに、航空会社のマイレージプログラムでポイントを貯める (または使う) などして、積極的に活用している方も多くいると思います。
企業、あるいは提携する企業グループなどが運営するそれらリワードプログラムでは、自社のサービス/商品を独占的に選択してもらうためのツールとして (または顧客情報を得るためのツールとして)、消費者に向けてそのプログラムへのメンバー登録を促します。登録した消費者側は、それら企業のサービス/商品を利用/購入することによってポイントを貯め、引き換えに様々な特典を得ることができるという仕組みです。
カナダにおいても、多くの企業が独自の様々なリワードプログラムを運営しています。

リワードプラグラムのメリット / デメリット

日々の必須消費行動において繰り返し頻繁に利用/購入するサービスがあり、それらが (登録無料の) リワードプログラムを用意しているのであれば、出来る限り積極的に利用するべきでしょう。例えば近所のスーパーマーケットチェーンやガソリンスタンドチェーンなどが運営しているリワードプログラムがこれにあたります。
航空会社のマイレージプログラムなども、代表的なリワードプログラムの一つです。利用頻度はそこまで高くないとしても、一度に費やす金額は多いことでしょう。数年に一度しか日本に一時帰国しないといった場合でも、やはり航空会社のリワードプログラムは、登録しておく価値はあります。
それらの各種プログラムを利用するメリットは、「必須消費行動をとっているだけで、追加的に『実質的に金銭価値のある特典』を得ることができる」ということ。この点を常に留意しておくことで、賢く各種プログラム活用することができます。

無料である限り基本的にデメリットはありませんが、あえて言うならば個人情報漏洩等のリスクがあげられます。闇雲に、自ら把握できないほど多くのプログラムに片っ端から登録することはあまり好ましくありません。個々のプログラムのアカウントのパスワードを頻繁に変更するなどの最低限のリスク管理は行う必要があります。
また、潜在的かつ意識的なデメリット/リスクとして、「ポイントを貯めることを最優先に考えるあまり、本来必要のない消費行動をあえてとってしまうことがある」という点が挙げられます。「金銭価値のある特典」を得るために、それ以上の金銭消費をしてしまうような、本末転倒な利用をしないよう心掛けましょう。

カナダの主なリワードプログラム

旅行/フライトマイレージ系
Air Miles登録メンバー数ではカナダ1位。
Aeroplanエアカナダのマイレージプログラム。
スターアライアンス (全日空他) 提携。
WestJet RewardsカナダのLCC航空会社のプログラム。
スーパーマーケット/グロッサリー系
More Rewards主にカナダ西部の各種チェーン提携のプログラム。
PC OptimumSuperstore 等を所有する Loblaw グループのプログラム。
Triangle RewardsCanadian Tire のプログラム。
車/ガソリン系
Petro PointsPetro Canada ガソリンスタンドのプログラム。
Esso ExtraEsso ガソリンスタンドのプログラム。
CAAカナダ自動車協会のプログラム。
映画/エンタメ系
SCENECineplex チェーンのプログラム。
Scotiabank と提携。
その他
Rakuten各種オンラインリテーラーと提携。
日本の楽天ポイントとは別物。

上手な使い方

ポイント獲得
各リワードプログラムはそれぞれ数多くの企業と提携していて、各運営企業の直接の商品の購入やサービスの利用以外でも、そのポイントを得られるようになっていることがほとんどです。そしてややこしいことに、それら各提携企業側もまた、複数のリワードプログラムと提携していることがほとんどです。カナダ全国でチェーン展開しているほとんどのリテール系企業は、何らかの複数のリワードプログラムと提携していると言っても過言ではありません。
その様な状況では、例えば上記の全てのプログラムに個々に登録して、個々でポイントを集めるという利用法は決して賢明ではありません。自分がよく利用する店舗/サービスと、各プログラムとの提携状況、そして最終的に手に入れたい特典等を考察し、できる限り少ない数のプログラムに集中させて一括でポイントを集めるという方法が、より賢い使い方と言えるでしょう。

REDEEM
ガソリンスタンド系やエンターテインメント系、グロッサリー系のプログラムでは、単純にそのままガソリン代や映画チケット代、買い物の割引きなどの特典と引き換える (REDEEMする) ことができることが多く、大いに、そしてできる限り頻繁に、その「実質的に金銭価値のある特典」の恩恵を受けられるよう利用するべきでしょう。
では、その他の統合系のプログラムでは、貯めたポイントを使ってどのような特典を手に入れるのが賢明なのでしょう。
  • 旅行/フライト系のマイレージプログラムを利用して「いつかはタダで日本行きの航空券を手にしたい!」と日々ポイント獲得に努力している方も多いでしょう。仕事などで頻繁に飛行機を利用するような環境であれば、その特典獲得の実現も可能でしょう。しかし、そのような環境にない場合、なかなかそこまでのポイントを得ることは難しいでしょう。さらに、いざ十分なポイントが貯まったとしても、マイレージポイントによる航空券購入では多くの想定外の制限が適用されることが多く、思い描いていたポイント利用が効率的にできないことが多々あります。
  • ピンポイントで欲しいと思っていた日用品や電化製品などの商品が、特典景品の一つとしてがリストされている場合などは、それらの景品と引き換えるという選択もあるでしょう。ただ、それらの景品が実質的に換算ポイント消費に見合う価値なのかどうかは、ある程度考慮する必要があります。一般的に、リストされている各種商品は不人気品/型落ち品などが多く、同商品がAmazon等でより安い値段で買える..などといったケースも多くあります。

それらを鑑みた上で、貯めたポイント/持て余したポイントの REDEEM 先として、より「実質的に金銭価値のある特典」を得るための選択としてお薦めするのは、ズバリ、ギフトカード特典への引き換えです。しかも、日々の消費行動の中で必ず全額使うとわかっている類のギフトカード特典。
  • 例えば、既に利用しているオンラインサービスやサブスクリプションサービスがあり、それらの支払いに使えるギフトカードなどが景品としてリストされているならば、迷わず選択の一つとなるでしょう。(例: Netflix、Amazon、Apple..等)
  • また、頻度に関わらず近い将来に必ず利用するとわかっている店舗/サービスのギフトカードなどがあったならば、それらもよい選択でしょう。(例: Amazon、ガソリンスタンド..等)

達成感という意味では少し見劣りしてしまう感は否めませんが、「必須消費行動をとっているだけで、追加的に『実質的に金銭価値のある特典』を得る」という元来のメリットを鑑みた場合、より実用的な恩恵を受ける方法の一つが、この「ギフトカードへの引き換え」という選択であると言えます。

まとめ

リワードプログラム利用をさらに極めようとすると、例えば...
  • ポイント獲得のために提携のクレジットカードを取得し、必要以上にカードでの買い物が増えたり、
  • ある程度の金額以上の買い物をする際には、必ず何らかのポイントを貯めることができる商品を選択しないと気が済まなくなったり、
  • 「ポイント〇倍!」などのキャンペーンを見ると、利用せざるを得ない衝動に駆られたり...
と、何かと過剰になりがちとなることがあります。
そもそもリワードプログラムは、あくまで企業側のマーケティングツールのひとつであるという点を良く留意し、消費者側として踊らされるようなことなく、上手に付き合おうとする姿勢で臨むのが好ましいと言えます。繰り返しますが、「金銭価値のある特典」を得るために、それ以上の金銭消費をしてしまうようなことが無いように気を付けましょう。



カナダでの仕事: カナダ緊急対応手当: CERB (Canada Emergency Response Benefit) 2020-04-10 07:53:00

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
カナダ緊急対応手当
Canada Emergency Response Benefit (CERB) プログラムは
2020年9月26日をもって終了しました。

記録という意味で、ページ及び情報内容そのものはそのまま保存しておきます。
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新型コロナウィルスによる経済への影響への対応策の一つとして、連邦政府から発表された Canada Emergency Response Benefit (CERB) は、新型コロナウィルスによる直接的な影響により失職してしまった人や一時帰休となってしまった人々に対して、連邦政府から対象者に対して支援金を給付するプログラムです。
4週ごとに$2,000、最長で28週、合計最大$14,000の給付を受けることができます。

根本的な対象者の定義や支給額及びその仕組み等は明確となっているものの、緊急対策として実施されているプログラムであるが故に、CRAの公式サイト上でも、細かな文言やFAQ (よくある質問) 項目等々が頻繁に更新されている状況がみられます。したがって、本項ではいわゆるチュートリアル的にその申請方法などを解説するというアプローチではなく、このプログラムの全体像及びその目的等をしっかり掴むことによって、「自身が支援対象なのか?」、「どのような仕組みで、いくらの給付が受けられるのか?」..などの疑問点を自ら解決できるようにするアプローチをとっていきたいと思います。

はじめに

まずは、すべての関連情報に関しては、しっかりとCRAの公式のソースを確認するということを心掛けるようにしましょう。プログラムの概要及び申請へのガイダンスの起点ページとして、以下のページが存在します。
Apply for Canada Emergency Response Benefit (CERB) with CRA
https://www.canada.ca/en/revenue-agency/services/benefits/apply-for-cerb-with-cra.html
また、自身が受給資格があると確認できた上で、申請作業を行うにあたっては、CRA の My Account にログインしてオンライン上で行うことになります (電話による申請も可能)。そして、その My Account 上にて direct deposit の口座を既に登録済みか否かによって、受給のスピードが違います (direct deposit なら3日、チェック郵送なら10日)。
スムーズな申請作業と迅速な受給のためには、My Account の開設と direct deposit 口座の登録とを、しっかりと事前に済ましておくようにしましょう。( >> 生活: CRA / My Account)

受給資格

最も重要、かつ、少しわかりづらい「受給資格 (Eligibility)」に関してですが、まずはその原文が以下の通りとなります。
3月に条件の詳細が最初に発表されて以来、細かな文言が頻繁に更新されています。常に最新の情報を公式サイトにて確認するようお願いします。
(「最新更新日:2020年8月30日」となっている時点の該当ページ上の情報)

Who can apply
To be eligible, you must meet the following requirements:
  1. You did not apply for, nor receive, CERB or EI benefits from Service Canada for the same eligibility period
  2. You did not quit your job voluntarily
  3. You reside in Canada and are at least 15 years old
  4. You earned a minimum of $5,000 income in the last 12 months or in 2019 from one or more of the following sources:
    • employment income
    • self-employment income
    • provincial or federal benefits related to maternity or paternity leave
  5. One of the following:
    • Your work hours have been reduced because of COVID-19 (see last checkbox below for more details)
    • You have stopped or will stop working because of COVID 19
    • You are unable to work because of COVID-19, for example because you are taking care of someone
    • You have been paid EI regular or fishing benefits for at least one week of benefits since December 29, 2019 and have used up your entitlement to those benefits
  6. One of the following:
    • If you are applying for the first time: You have stopped or will stop working, or you are working reduced hours due to COVID-19, and you don't expect to earn over $1,000 in employment or self-employment income (before deductions) for at least 14 days in a row during the 4-week period.
    • If you are applying for a subsequent period: You are still not working, or you are working reduced hours due to COVID-19, and don't expect to earn over $1,000 in employment or self-employment income (before deductions), and you expect this to continue during the entire 4-week period.
最初の5項目に関しては、比較的簡単な現ステータスそのものに関する条件となります。
  1. 受給申請をする対象の期間において、CERB及びEI (Employment Insurance = 失業保険) を既に申請または既に受給していない
    >> つまりCERBとEIの重複受給/申請をしていない旨の確認
  2. 自主的に (自己都合により) に退職/失職したのではない
  3. カナダ国内に居住していて、15歳以上である
  4. 2019年の一年間または申請時以前の12ヵ月間において、以下の種類の所得の合計が$5,000以上である:
    • 雇用所得
    • 自営所得
    • 州または連邦政府給付の産休/育児休手当
  5. 以下のうちの一つ以上の条件を満たしている:
    • 新型コロナウィルスに関連する理由により、雇用時間が減少した
    • 新型コロナウィルスに関連する理由により、就労をすでに停止した、あるいは停止する予定である
    • 新型コロナウィルスに関連する理由により、就労ができない状態にある (例えば感染した人の看護を行っている)
    • 2019年12月29日以降少なくとも1週間の失業保険 (EI) の給付を受けていて、その受給権利を既に使い果たしている。
最後の6項目の条件が少しだけややこしい表現となっていますが、既にCRAが定義付けをしている、給付の「4-week period cycle (4週区切り期間)」を先に示してみると、随分とわかりやすくなるでしょう。
4週区切り期間期間
期間 12020年3月15日~2020年4月11日
期間 22020年4月12日~2020年5月9日
期間 32020年5月10日~2020年6月6日
期間 42020年6月7日~2020年7月4日
期間 52020年7月5日~2020年8月1日
期間 62020年8月2日~2020年8月29日
期間 72020年8月30日~2020年9月26日

申請をする際には、どの4週区切り期間に対しての受給を申請するかを、その都度指定することになります。
したがって、6の条件は...
  1. 以下のうちのいずれかの条件を満たしている:
    • 初めて申請する際は、
      申請する対象の (一つの) 4週区切り期間内において、新型コロナウィルスに関連する理由により、就労をすでに停止した/停止する予定、あるいは雇用時間が減少した状態であり、少なくとも連続14日間、$1,000 (税引き前) 以上の雇用所得または自営所得を得ることがないこと。
    • 一度目以降の申請の際は、
      申請する対象の (一つの) 4週区切り期間内において、新型コロナウィルスに関連する理由により失職/停職/雇用時間減少している状態に変更がなく、$1,000 (税引き前) 以上の雇用所得または自営所得を得ることがないこと。また、対象の4週区切り期間の最後までその状態が続いていること。
と読み取ることができます。
つまり、申請者は各4週区切り期間ごとに条件を満たしているかを考察し、それぞれ
  1. 初めて申請する際の条件を満たしている一つの4週区切り期間に対して、まず最初の申請を行う
  2. 一度目以降の申請の際の条件を満たしている限り、次の4週区切り期間に対し申請をする (最長7期間まで申請し続ける)
  3. 一度目以降の申請の際の条件を満たさなくなった時点で、次の4週区切り期間に対しての申請をやめる
という作業を行います。そしてその各4週区切り期間ごとに、$2,000毎の給付が行われる、という仕組みになっています。
注意: この仕組みにより、失職期間内でも給付対象とならない期間が発生することも当然のごとくありえます。

例1: 無所得状態の始まりが4週区切り期間の後半だった場合
例えば無所得状態の始まりが4月6日だった場合、「期間 1」に関しては、4月6日から4月11日が6日間だけであるため、初めて申請する際の条件の中の「少なくとも連続14日間..」の条件を満たさないため、給付対象とはなりません。条件を満たす「期間 2」に対して初めて申請をすることとなります。したがって4月6日から4月11日は結果的に援助のない期間ということになります。

例2: 新規の職や復職が決まった場合
新規の職や復職が決まり、対象の4週区切り期間内において$1,000以上の給与が発生する労働を開始した場合、その4週区切り期間は、一度目以降の申請の際の条件を満たさないこととなるため、給付対象とはなりません。例えば7月後半 (例えば7月27日 = 「期間 5」の最終日一週間前) に復職して、その週内で$1,000の給与に相当する労働を行った場合、(給与の〆日や給料日の日付に関わらず)「期間 5」は丸々給付対象の期間ではなくなります。同期間前半に失職期間があったとすると、結果的にその期間は援助のない期間ということになります。

例3: 最大の給付額 (最長の申請期間) に達した場合
上記の通り7つの4週区切り期間が定義され、プログラム自体は9月末まで続いています。しかし給付が受けられる最長期間は合計24週 (4週区切り期間 x 6) です。失職期間がそれ以上の場合は、当然援助のない期間が発生することになります。
*8月に発表された改定により、最大 (最長) の申請期間が7期間となりました。つまり条件を満たしている限り、定義された7つの4週区切り期間全てに対して申請することができることになるため、最大の給付額 (最長の申請期間) に達することによって条件を満たさなくなる..というケースは無くなりました。

給付額

上記の各4週区切り期間一つに対し、給付額が $2,000。最大 (最長) 7つの4週区切り期間 (=28週) で継続して受給することが可能で、結果的に最大 $14,000 の給付となります。

あくまで各期間ごとに丸々$2,000の給付が有りか無しか ($0) が評価されるため、それ以外の日割り/週割りなどでの給付は一切ありません。CRAのサイト上において、「$500 a week (週ごとに$500)」という文言が多々見られますが、これはあくまで「4週間で$2,000」を週換算にして表現しただけの文言です。繰り返しますが、給付額はあくまで、期間ごとに丸々$2,000か$0か、のみです。

申請手続き

CRAのMy Accountにログインし、CERBの項目から申請手続きを進めることができます。
CERB申請受付け期間中は、ログイン後のトップの「Overview」ページおいて、大々的に申請ページへの誘導がなされていますので、見逃すことはないでしょう。
注意: 申請しようとする期間内に復職または新規の職に就く可能性がある方 (またはそれに向けて努力している方) は、あえて急いで申請する必要はありません。 期間内に$1,000以上の収入が発生する就労を行った時点で受給資格を失うことになる訳ですから、不正受給を避ける為にも、期間後半になるまで待って、収入が無いことが確実になってから申請するのも一つの手です。

留意点

査定 / 監査
緊急支援策であるが故に、システムの立ち上げ及び申請受付と給付開始までが、かなりのスピード感をもって実行されました。したがって、必然的かつある意味では意図的に、不正チェックやレアケースへの対応等が後回しになっている感は否めません。申請時及び受給時において、受給条件を満たすことを証明する書類等の提出は一切必要ではありません。政府側は、基本的に「後で調べればいくらでもわかります。不正に受給した分は後でしっかり徴収します。そもそも虚偽の情報に基づく申請は犯罪ですよ。」という姿勢で今回のプログラムの運営を行っています。
間違っても、不正に給付を受けるよう企てるようなことはしないようにしましょう。

非課税ではない
CERBの給付金は、失った所得分を救済するという名目であるため、非課税ではありません。給付時にはそのまま$2,000が給付されますが、来年2021年に行う2020年分のタックスファイリング時には「所得」として申告する必要があります。受給者には合計給付金額などが記載されたT4Aフォームがおそらく来年初めに発行され、申告手続き自体は簡素なものになることが予想されますが、課税対象所得であるという点は、しっかりと記憶しておく必要があります。



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